PHPerKaigi 2018での発表でベストトーク賞をいただきました

3月9日・10日と開催されたPHPerKaigi 2018に参加し、「SOLIDの原則ってどんなふうに使うの?」と題した発表をしてきました。今回の発表で私が目標としていたことや、その他PHPerKaigiで何人かの方と個別にお話した内容などをメモしておきます。

phperkaigi.jp

 

スライドの公開など

所属先の技術ブログで公開しています。

tech.quartetcom.co.jp

(トークスクリプト付きのKeynoteファイルも配布しておりますので、見てみたい方はリンク先からどうぞ)

発表の目標

今回は、次のような目標で内容を作りました。

  • 発表の30分の中で、聞いた方が「理解した」と感じることができる内容・構成
  • 設計原則などにあまり触れたことがない方にも、理解してもらい、設計って面白い、役に立つかもと感じてもらう
  • 理解した内容を、使えそうという感触を持ってもらう

この目標を達成するために、伝えることを明確にした上で1つに絞りました(それが「オープン・クローズドの原則」)。

私は凡庸なトーク力しか持ち合わせていないため、1つに絞った内容を「どのようにしたら、上手く伝えることができるのか」という点でも、苦心しました。発表した形式になるまでに、構成の仕方が異なるバージョン(その中には、幻の手書きスライドバージョンなどもあったりします)を4つほど作成しました。

目標に掲げた3つの制約を、30分の時間で満たすようにするというのは、なかなか手ごわい条件でしたが、ある意味この30分という条件のおかげで、内容をコンパクトにまとめることができたように思います。

 

賛否両論の「先輩と新人の掛け合い方式」は、斬新で面白かったかもしれませんが、このような講演で採用するのは今回が最初で最後にしようと思いました。

発表について

若干のトラブルがあったので、自分のためにメモ

  • スライドの最初の方の部分で、なぜか表示されない?アニメーションがあって焦った。記録モードにしていたのをやめて、普通の再生モードに切り替えた。微妙にパニック状態だったので、本当に「アニメーションが表示されなかったのか」どうか記憶があいまい・・・。
  • 途中で水を飲んだが、その時にペットボトルの蓋を閉め忘れた。そのため、質疑応答の際に手が当たって水がMBPの上にこぼれてしまい、また若干パニックに。蓋は閉じよう!

 

発表外で、お話したこと

以前、所属先の技術ブログで、指導中の新人が次のブログを書きました。

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このブログ記事で、最後の「リフレクションを使った例」について、なぜそういったものが必要になるのかよく分からないという質問をいただきました。なので、そもそも記事の元ネタになっている問題をお見せして、その場でその方なりの解き方などをある程度話し合った後に、実際の私のコード全体をお見せし、何をどのように表現しているから「リフレクションを使う仕組みが必要」になるのかお話したりしました。

このようなプログラミング問題でコード設計力を磨くというのを、私は地道にやっています。よく題材として使わせて頂いているのは、横浜へなちょこプログラミング勉強会さんのものです。

横浜へなちょこプログラミング勉強会 | Doorkeeper

 

また、別の方とのお話で、設計について学びたいけど、自分が読むのに良い本を見つけられていないという件がありました。これについては、私が人に本を薦めることに慎重なこともあって、「これを読めばOK」と即答できるような書籍がたしかに思い当たりません。これには、以下の理由があります。

  • 設計というのは、勉強してできるようになるような「科目」とは違って、いろいろな要素の総合力が必要な活動
  • いわゆる「設計」とカテゴリされるような方面の知識だけでは良い設計はできず、実装力も同時に伸ばす必要がある

関連しそうな、過去に書いた記事

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イベントについて

随所に「コミュニケーションできる場」ということを意識されていたのが良かったですし、そのことが多くの参加者にも好評だったように私は感じました。Ask The Speakerのコーナーやラウンドテーブル、アンカンファレンス等もそうですが、規模としてそんなに大きすぎない、一体感を感じられる人数だったのも良かったのかなと思いました。

私はこのようなカンファレンスにスピーカーの側で何度も参加していますが、私がカンファレンスに求めていることは、まさにコミュニケーションなんです。それも、自分の話した内容についてもっと話したいということとは全く違って、自分ではない他の人が、現場でどのような問題に取り組んでいて、どう苦労しているのか、工夫しているのかといった話を聞いたり、それについて意見を言ったり、共感したりといったことをしたいんです。他のカンファレンスでそれが全く出来ないってことはないですが、今回のPHPerKaigiは、そういったコミュニケーションをしやすい空間になっていたなーと思いました。

最後に

PHPerKaigのスタッフの皆様、素晴らしいイベントをありがとうございました!

ベストトーク賞で国内カンファレンス参加費補助!という、今の私に最高のご褒美をいただけたので、次は関西、福岡、東京のどれかのカンファレンスに、是非またスピーカーとして参加できるよう、渾身のプロポーザルを作ります!