モデルベース要件定義テクニック(RDRA)
技術顧問先のエンジニアからの薦めで、神崎善司さんの『モデルベース要件定義テクニック』を読んだ。この書籍では神崎さんの要件分析手法であるRDRA(Relationship Driven Requirement Analysis:ラドラ)の実践方法が解説されている。
RDRAの手法自体の特徴などを、自分のメモとしてまとめておく。
※ 手法の具体的な内容について知りたい方は、書籍やWebを参照されたい。
RDRAについて
RDRAは一言で言えば「要件分析・定義のフレームワーク」だ。つまり、次の事柄が提供されている。
- 要件分析〜定義の活動において必要な事項の全体像が示されている
- 事項間の関係性が示されている
- 個々の事項の目的(それが必要な理由)が示されている
長年の実務経験のノウハウから抽出されたフレームワークだと思う。要件分析〜定義の活動を効率よく進めるために必要なことがうまくまとめられている。
RDRAは特に、以下の点にフォーカスしたフレームワークだ。
- 網羅性
- 整合性
- 表現力
(書籍やWebにも、RDRAの背景としてこの3つが挙げられている)
RDRAでは、要件分析〜定義活動によって以下の4つをクリアにしていく。
- システムを使って生み出す価値
- システムを取り巻く環境
- システムとの接点
- システムそのもの
この4つのすべてに対応する図の表記方法が用意されており、活動の広範囲をサポートしていると言える。また、ある図に記載する内容と、別の図に記載する内容との関係性が定義されており、整合性のフィードバックが働くようになっている。
RDRAによって得られるもの
- 要件分析〜定義工程の進行をスムーズにできる
- 要件分析〜定義工程の成果物のクオリティを一定以上にできる
- 上記を、KKD(勘と経験と度胸)に頼らずに、非属人的なノウハウとして利用できる
- 要件分析〜定義工程の全体像を伝えやすくなる
現場で試して学んでいきたい。