「哲学思考トレーニング」を読んだ

職場での雑談で「趣味は哲学」などと折に触れてネタのように話している。それに触発されたのか、はたまたそろそろ私を黙らせてやろうとでも思ったのか、真相は定かではないが、アラフォー仲間でもある同僚が『哲学思考トレーニング』読み始めたとのこと。私もKindleで買って読んでみた。

哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))

哲学思考トレーニング (ちくま新書 (545))

 

 

どんな本か?

この本は、「(著者の言う)哲学的クリティカルシンキングを、思考に関する論理や哲学の方法による補強を加えながら、解説したもの」だ。書名に「トレーニング」とあるが、問題が掲載されているようなスタイルではない。

中心にあるのは「(著者の言う)哲学的クリティカルシンキング」であり、この方法によって、いくつかの問いにどのようにアプローチし、分析し、考え、結論を出すのかを、この分量の本にしては比較的丁寧に書いてある。解説は平易で、たまに哲学の用語などが出てくるが、その用語を作った哲学者のエピソードなども手短に書かれているため、親切だ。

このような本なので、たとえば、仕事で参加しているミーティングで、話し合いや議論が苦手だと思っている方や、議論はある程度できるが、もっと鋭く議論を進めたいと思っている方が読むと、新しい視野を開くガイドにはなると思う。

感想

私は哲学を完全に趣味・独学でやっているだけなので、網羅的な基礎知識はない。アリストテレスの三段論法論など良く知っている部分もあったし、逆に懐疑主義だったり科学哲学のあたりは、まともに本を手に取ったことすらなかったので、私としては新鮮な気持ちで読めた。